会話力アップのコツは「言いたいことの8割捨てる」

会話力アップのコツは「言いたいことの8割捨てる」

会話がなかなかうまくできるようにならない…と思う英語学習者はたくさんいます。英語をペラペラと話せるようになるための、ひとつのコツをご紹介します。これは、初心者さんの間だからこそ大切なこと。習慣づけ、癖付け、上達を早めましょう。

英会話力アップに立ちはだかる壁

そもそもなぜ、日本人は英語が話せないのでしょう。

国内では、英語を話す機会が限りなく少ないことも理由のひとつですが、それともうひとつ、英語を話すのに「日本語から考えて、それを英語に訳してから話す」からではないかと思っています。かなりの日本人がコレにあてはまるのではないでしょうか。これはそもそも学校教育で「訳す」という作業をしていたから。でもコレ、英語、とくに会話力アップには実は大きな間違いなんです。

私のサイトではいつも言っていることですが「英語は英語のまま」が一番です。

英語を習得した日本人や、帰国子女・ハーフの人たちに「日本語から訳して話してる?」と聞くと絶対「NO」と言うはずです。

 

 

日本語を訳そうとして、やってしまう「あるある」

英会話のレッスンで、先生が「昨日のお昼、何食べた?」と聞かれたあなた。食べたものは「肉じゃがとサンマ」だったとしましょう。英語にしようとして、「えーっと…肉じゃがって beef と potato と… 煮るって何て言えば? サンマって英語で? サケは salmon やけど…」とかなんとか考えて、結局しどろもどろ。こんな経験、ありませんか?

 

 

言いたいことの、8割を捨てよう

さっきの「昨日のお昼ご飯」の話。実はこれでOKです。

 

I had beef and fish for lunch.

肉じゃがは、日本人ならその名を聞いたらすぐにどんな食べ物かイメージできますが、外国人に「ニク~ジャガ~、cook beef and potato… 」などと、例え説明できたとしても、そもそも肉じゃがを知らない外国人にとって、イメージがわかず、あまりよく伝わりません。英会話の先生は、何を食べたか知りたいのではなく、どちらかと言うと、had や for lunch とちゃんと言えるか・使えているかを試していることが多いのです。

また、「8割捨てろと言うけど、逆に10割言えるようになるのが会話力アップじゃない?」と思う方もいるでしょう。でも、初心者の間は、日本語で言えることの8割以上は英語にできないはずです。そうなると、英語で言えることは本当に限られてしまいますが、それでOK。急がば回れ、です。

日本語の頭はシャットアウト、自分が言えるレベルの英語だけを使って話しましょう。英語は、中学英語ができれば会話はある程度できると言われています。地道に文法学習を重ね、シンプルな英文をどんどん話す練習をしていきましょう。

日本語で考える癖は、なかなか抜けないもの。それでも、少しずつ、英語だけで考え発話する練習をしていればできるようになりますよ。

 

8割捨てた例

いくつか例を挙げてみましょう。「昨日何した?」と聞かれて、さてどう答えるでしょうか。

日本語でなら、会社で同僚とランチしてたら…とか、テレビ見てたら電話かかってきて、観たいところ見逃してしまった、だとか、晩御飯は彼の大好きな唐揚げと自家製ポテトサラダを…なんて考えてしまいがちですが、増してや会話はその場でどんどん進むもので、人は普通、そんなに沈黙を我慢できません。

 

I worked today.
仕事した。

 

I studied English.
英語勉強した。

 

I watched TV yesterday.
テレビ見た。

 

I cooked dinner for my family.
晩御飯つくった。

「こんな会話、日本語でせーへんわ」と思ってしまいませんか? そうですよね、こんな会話、しませんよね。でも、これらの文章、サラリとつまることなく、会話でこなせるでしょうか。見ると本当に簡単な文章ですが、意外にさっと言えない人もいますよ。

そしてその先、例えばテレビを見たと言ったら、次は「何を見た?」と聞かれるかもしれません。その先までちゃんと会話できるように、しっかり練習しておく必要がありますね。

さらに、相手の話にどう答えるかも肝心です。うなずくだけ、相手が質問してくるのを待つだけなんて、そんなのは英会話のレッスンの時だけですからね。会話をしているときに相手が自分の話にどう返事してくれるかもよーく聞いておくと、ボキャブラリーが増えるかもしれませんね。

また、英会話教室を経営していて思うことなのですが、「昨日なにした?」系の質問に、まったく答えられない人が意外にも多いということ。「昨日? いや、何も特別なことしてないし… 会社行って帰ってきて、テレビ見てただけで、いつも通り」となって、発言できずにいるんですね。英会話のレッスンでは、あなたが何をしたかを本当に知りたいのではなく、英語の練習として質問していることも多いので、今の「会社行って帰ってきて、テレビ見た」を英語にすればいいのです。

 

「過去形」をしっかり練習しましょう

前項の例文を見てみると、すべて「過去形」が登場しています。昨日のことを聞かれているのですから、当然過去形になるのは言うまでもありませんよね。そう、会話ではかなり「過去の話」をするのです。もちろん未来の話もしますが、未来形は will や be going to を使えばよくて、動詞を変形させる必要がないためある意味カンタンです。覚えないといけない過去形のほうが難しいし、-ed の発音は3種類ある上、強く発音しないため意外にハードルが高いもの。

基本的な動詞の過去形はしっかりおさらいし、すぐ使えるように練習しておきましょう。

 

 

まとめ

日本語で考える癖を無くし、英語だけで考えるよう努力をしましょう

動詞の過去形をおさらいし、会話練習をしましょう